北村夢さんが800mで2分0秒台を出したのは2017年9月のことでした。
前日には男子100mで日本人初の9秒台が出て世間はその話題で持ちきりでしたが、私は9秒台よりも北村さんの0秒台のほうが驚きでした。
その年、北村さんは日本選手権を優勝。
その前には2秒台を出し、練習では1秒台を出しているとの情報もあったので、もしかしたら、という予感はありました。
この0秒台を出した時、400mの通過は59秒台。
杉森さんが日本記録を出した時の通過は57~58秒でした。
両者を比較すると北村さんは後半に強いことがわかります。
そして両者に共通しているのは400mのスプリント力。
400が速いということは当然100mのトップスピードもそれなりに速い。
2人とも短距離が速い選手です。
スタミナを磨いて2分を切ろうとすれば、最低でも北村さんと同等のスプリントが必要だということになります。
また、スプリント重視で挑むとすれば、杉森さん以上のスタミナが必要となる。
すごくシンプルに考えるとそうなります。
北村さんは、社会人になってから怪我の影響などで苦しい時期が続いていたようですが、昨年の日本選手権では5位入賞をするなど、復調の兆しが見えてきているように感じます。
0秒台を出したころの北村さんは、接地時間が異様に短い高回転のスプリントをします。
動画をスローで見ると、爪先で接地する面積も小さいので、故障のリスクも高いように見受けられました。
ずっと続けている体幹トレーニングの効果でしょうか、まだ本調子ではないにしても、今は接地が安定しているように思えるのです。
このまま、以前のような高回転スプリントが出来るくらいに復調すれば、まだまだ2分を切る機会はある…そう感じています。
北村さんは毎年冬~春季トレーニングでは沖縄に来ています。
そのトレーニングの様子は五味さんのインスタグラムで公開してくれています。
北村さんの体幹トレーニングに興味がある方は是非ご覧ください。
こんな感じでいろいろやっているようです。